タイトル

3月11日

震災01

昼食後の静養が終わり、ホールに集まってお茶を飲み、ラジオ体操をした後、ソファーやイスに座ってくつろいでいた。工作クラブと手芸クラブを始める矢先のこと、ホールはゆりかごのように大きくそして不気味に長く揺れた。

年に2度行っている緊急地震訓練のとおり
◎生活相談員は、玄関の戸を開けて避難路を確保、その後利用者さんの安全対応。 
◎看護士、介助員は利用者さんから離れず抱きかかえるようにしながら頭部の安全確保。
◎すぐさま2階からケアマネージャー2名、訪問介護スタッフ事務局長がかけつけて、安全確保に加わる。
◎調理員はガスの点検後、利用者さんの安全確保に加わる。
◎揺れが納まった後、周囲を見回すと、倒れたのは、事務スペースの書類。ホール内は無事であった。
◎利用者さん、スタッフ全員無事。
◎余震続く。介助、介護スタッフ、ケアマネージャー、在所の訪問介護員は、利用者に寄り添う。おやつを配る。
◎その後、生活相談員は、本日の利用者宅をまわり「迎えに来るまで、お預かりする」ことを伝える。在宅の利用者の安否確認。
◎調理員と事務局長は外まわりの安全点検。
◎水の確保(お風呂・ナベ・バケツ等、水道が止まる前に)
◎灯りの確保。
◎食材、飲料水、衛生用品等の在庫確保。
◎利用者さん4名が泊まることになる。
◎スタッフ1名、ボランティア1名、理事宿直1名も泊まる。
◎ご近所のSさんが太く大きいローソクを手配してくれる。これで夜間も安心。

震災02
震災03

3月14日

◎(宿泊利用者4名を含む)利用者さん10名。 
◎断水・停電。ガスは出るので調理ができた。 
◎食材の確保・調達。 
◎排泄はポータブルトイレを使用。 
◎ためていたお風呂の水で湯を沸かす。 
◎清拭を行う。できるだけ通常の流れを保つよう心がける。 
◎昼食の後の静養は、全員がホールに集まって行う。 
◎この震災の影響に体調を崩す利用者さんなし。 
◎車のガソリンが不安。 
◎スタッフ2名と連絡がとれない。 
◎御家族に来所時の送りをお願いする。

3月16日

◎スタッフKさん家庭の事情でしばらく休みとなる。

3月17日

◎AM10:00頃より水道が出始める。
◎Hさんの誕生会。
◎毎日食材調達。

3月18日

◎スタッフTさんとやっと連絡がとれる。しばらく休み。
◎泊まり3名。
◎電気がつく。

震災05 震災06 震災07

3月21日

◎ガソリン不足のため、御家族に送迎をお願いする。このため、来所できない方もあり、申し訳なく思う。
◎車イスリフト車利用者については、送迎を行う。
◎足浴。シャワー浴。清拭を行う
◎泊まり者2名。
◎下水に水を流さない工夫。
・調理水を庭や側溝へ
・うがい手洗いの水→側溝へ
・トイレの排水の工夫(紙は別容器へ)

3月28日

◎朝は家族の協力で来所。帰りはお送りすることにする。
◎家族が車を所有していない利用者さんの送迎を開始する。
◎必要度の高い方の入浴を開始(風呂の水は洗濯等に利用し、できるだけできるだけ下水に流さない工夫を行う)

3月30日

◎「ほっとあいの家」日曜日を当分の間休みとする(スタッフ調整困難のため)

3月31日

◎入浴回数について、利用者・家族へ連絡
◎当分の間入浴サービスを週1回とし、他の入浴予定日には、清拭で対応(スタッフ調整と、節水・下水道への排水制限のため)

4月2日〜3日

◎山元町にてボランティア(理事長)

4月4日

◎送迎開始

 下水道の補修が完了するまで、節水と排水の工夫となりますが、これをマイナスととらえず、様々な業務の見直しの機会ととらえて、改善につながるようにとらえていきたいと思います。
 訪問介護スタッフもガソリン不足の中、自転車で活動を継続、協力し合って、サービスを継続しました。責任感・使命感を強く持ったスタッフの皆さんに大変感謝です。ケアマネージャーもまた、利用者さんの生活全体の把握につとめ、柔軟に対応して支援につとめました。

理事長の外部活動について

3月19日~20日
◎宮城県介護福祉士の依頼を受け、石巻の避難へ応援に

3月26日~27日
◎山元町へ。
◎ふれあいの居場所の設立に向けて、役場・避難所に説明とアドバイスを受けに行く。また、不足する物資のアセスメントを行い、NTTの物資調達につなぐ。
◎ささえあい山元の被災現場訪問。ズボン、くつ下その他を避難所へ。

3月30日
◎さわやか福祉財団から義援金がふりこまれる。これを山元町の「移動ふれあいの居場所」の資金に利用することとする

4月2日~3日
◎山元町へ社会福祉協議会へ

多くのご支援とご協力

★NPO法人友愛さくら
 →米→(通所)→利用者さんへ
★難民を救う会からの物資
 →山元町の被災者で必要な方に
★利用者さんから
 →梅干・米・くだもの・お菓子・黒豆
  →利用者さんとスタッフ
★ボランティアの高校生
 →ペットボトル飲料多量→利用者さん
★スタッフ
 →食材→利用者さんへ
★協力会員
 →ガソリンを入れる→ほっとあいの車

その他、多くのご支援・お電話をちょうだいしました。
ありがとうございました。

 

東日本大震災の発生から、1ヶ月がたちました。毎日余震があり、原発の事故の風評も相まって、不安な日々が続いております。皆様のお宅におかれまして、同様の次第でお過ごしのことと存じます。お見舞い申し上げます。
 おかげさまで、ほっとあいは、御家族をはじめ皆様の御理解と御協力により、サービス活動を継続することができております。特に、御家族の皆様には送迎に御協力をいただきました。ありがとうございます。
 利用者の皆様には、入浴に替えて、シャワー浴や清拭での対応等、多面にわたり通常のサービスとは異なる内容に対して御理解をいただき、むしろ「ありがとう」と励ましの言葉をちょうだいいただき感謝申し上げます。
 「節水をしながらの安全衛生確保」については、子供の頃、祖父母達に教わった知恵を思い出し、皆んなで寄せあって対応しております。
 多くの方が「ほっとあい」をご心配くださり御厚意を寄せて下さいました。(食材・飲料水・各種ボランティア等)
 また、事務所内でも、他の事業のスタッフが多忙の中、通所サービスの継続のため協力しております。今しばらく、御不自由をおかけいたしますが、御理解と御支援をお願い申し上げます。

                       ほっとあい理事長 渡邊 典子

印刷用PDF

東日本大震災による非常事対応の記録2